
自宅にあるテーブルや本棚など、お気に入りの家具はより長く使っていきたいですよね。愛着ある家具だからこそ、長く使っていけるように、今回は木製家具の構造や塗装の種類などについて紹介したうえで、メンテナンスの方法についても説明します。
目次
1.家具のキズや汚れは修復できる?
1.1.素材の違い
1.2.仕上げの違い
2.家具のメンテナンス方法
2.1.オイル塗装仕上げ
2.2.ウレタン塗装仕上げ
3.木製家具と上手く付き合うための注意点
4.まとめ
1. 家具のキズや汚れは修復できる?
家具に使っている素材の種類や、仕上げの方法によって、修復できるかどうかが決まります。
1.1 素材の違い
家具の材質も大きく分けると、無垢材と突板(つきいた)の2つがあります。見た目は同じような木製家具に見えますが、全く構造が違います。
■無垢材
無垢材とは、1本の天然木から必要なサイズをそのまま切り出し、板に加工したものです。
木そのものが持つ、自然の風合いややわらかい質感が魅力です。シミやキズが付いても、同じような木目が現れるので、目立ちにくく、自宅でも修復やメンテナンスが可能です。
無垢材の家具は値段は高くなりますが、大切に使って、正しいメンテナンスを行えば、一生ものです。
■突板
突板とは、合板などの芯材に0.1㎜~0.3㎜ほどにスライスした無垢材を貼り付け加工したものです。
突板の家具は、無垢材の家具に比べ、手ごろな値段で購入でき、無垢材同様の木製家具の質感を味わえるのが特徴です。そのうえ、丈夫で軽く、無垢材のような反りやひび割れの心配がありません。
しかし薄い木材を貼っているだけなので、深いキズが付いたり、削れたりすると、中の芯材が出てきてしまいます。そうなるとキズが目立ちやすく、自宅での修復は難しくなります。
1.2 仕上げの違い
そもそも塗装の目的は、家具の表面の保護と装飾的なデザインです。塗装の種類によって特徴が違うので、修復方法も異なります。
■オイル塗装仕上げ
オイル塗装仕上げとは、植物性オイルを主原料にした塗料を木材の内側まで浸透させる方法です。塗膜が薄く、木の質感や触り心地を損なわないので、ナチュラルに仕上がりますが、キズやシミが付きやすくなります。
しかし、オイル塗装仕上げの家具は凹んでも、スチームをかけたり、水分を含ませたりすると直すことができます。さらにひっかきキズや軽いキズは、やすりをかけてオイルを塗れば消えるので、自分で気軽にメンテナンスできるのがメリットです。
■ウレタン塗装仕上げ
ウレタン塗装仕上げとは、ウレタン樹脂の塗膜を木の部分の表面に塗って仕上げる方法です。
ウレタン塗装は主に、突板の家具など塗膜が必要なものに多く使われています。家具の表面をコーティングしているので、耐水性が高く、キズや汚れ、熱にも強いことがメリットです。
イメージに合わせて色やツヤをコントロールできるのが魅力ですが、深いキズが付いた場合、修復は困難になります。
■ラッカー塗装仕上げ
ラッカー塗装仕上げとは、シンナーやアルコールなどの揮発性有機化合物を、樹脂系の原料に溶かした塗料を塗って仕上げる方法です。
溶剤が揮発することで薄い塗膜を表面に貼り、もともとの木の風合いが楽しめます。しかし、その分水や熱にも弱く、耐久性は高くありません。
また、揮発性有機化合物は、大気汚染の原因になるので、国で排出基準が決められています。環境汚染、健康被害の点から、ラッカー塗装はほとんど使われていません。
■UV塗装仕上げ
UV塗装仕上げとは、木の表面に塗った特殊な塗料に、紫外線をあてることで、硬化させる方法です。
ウレタン塗装に比べ短時間で硬化し、塗膜を分厚く貼れるので、熱や水にも強く、耐久性に優れています。木製家具の木目を生かしたクリアな塗装も可能です。
大気汚染の原因となる、シンナーなどの揮発性有機化合物が含まれていないので、環境にも配慮された塗料です。ただし、注意点として、一度硬化した塗料をはがすことが困難なため、家具にキズが付いた場合の修復は難しくなります。
2. 家具のメンテナンス方法

家具を定期的にメンテナンスすることで、状態良く保つことができ、家具の材質によっては経年変化を楽しむことができます。
今回は、木製家具によく使われているオイル塗装仕上げと、ウレタン塗装仕上げのメンテナンスについてお話します。
2.1 オイル塗装仕上げ
普段のお手入れは、乾拭きがおすすめ。ほこりや汚れが拭き取れれば十分です。どうしても水拭きする必要がある場合は、固く絞った布で拭き取り、水分を残さないようにしてください。
無垢材の家具は、乾燥の影響を受けやすいので、年2回季節の変わり目に、保湿のためのメンテナンスがおすすめです。工程は以下のとおりです。
1.水に濡らした布を硬く縛って、家具の表面の汚れを拭き取ります。
2.家具にキズがある場合は、まず、木目に沿って粗い目の紙やすりで削ります。さらに細かい目の紙やすりで削れば、手触りの良い滑らかな表面になります。
3.固く絞ったタオルで木屑をキレイに拭き取ります。
4.家具にキズがない場合は、削る必要はありません。やわらかいキレイな布に、家具用オイルを含ませて木目に沿って塗り込みます。
5.15分ほど乾かしたら、乾いた布で端から一気に拭き上げれば完了です。
2.2 ウレタン塗装仕上げ
普段のお手入れは、無垢材と違い水拭きも可能です。ただし、化学雑巾を使うと、家具のツヤが変わる可能性があるので、使用には十分注意してください。最後は必ず、乾いた布で水分を残さないように拭き取りましょう。
気軽に使え、深いキズが付かなければ、キレイな状態を長く保てるので、特にメンテナンスの必要はありません。頑固な汚れがある場合は、ぬるま湯に中性洗剤をうすめた液につけた布を、固く絞って拭いてください。
3. 木製家具と上手く付き合うための注意点
木製家具と上手に付き合っていくためには、いくつかの注意点があります。
木は絶えず呼吸し、常に空気の影響を受け、膨張と収縮を繰り返しています。湿気が多い場所だと、カビが発生したり、変形したり、また、乾燥している場所だと、反ったり、ひび割れたりする原因になります。
木製家具を、湿気の多い場所や、熱や風の影響を受ける場所、直射日光が当たる場所には置かないよう注意してください。
乾燥する時期や、どうしても直射日光が当たる、熱や風の影響を受けるところに家具を置く場合は、カーテンを閉めたり、加湿器を使用したりすることをおすすめします。
以上の注意点に気を付ければ、木製家具と長く上手に付き合うことができるでしょう。
4. まとめ

今回は、木製家具と長く付き合っていくために、必要なメンテナンスと普段のお手入れ方法についてご紹介しました。
木製家具の構造や、塗装の種類を理解し、長く愛用していくと、家具についたキズさえも愛おしく、さらに大切にしようと思いませんか。
これからもお気に入りの家具を、家族の一員のように大切に使っていきましょう。
