
ぬくもりを感じる手触りやナチュラルな風合いが人気の木製家具ですが、よく見ると穴が開いていたり、床に木くずが落ちていたりするのを見た経験はありませんか?それは害虫の被害にあっているのかもしれません。今回はその虫の正体や大切な木製家具を守るための予防や駆除の方法について学んでいきましょう。
目次
1.家具についた虫の正体は?
1.1.キクイムシとは?
1.2.キクイムシはどこから?
1.3.キクイムシはどんな木製家具が好き?
2.キクイムシがつかないための予防方法
2.1.防虫加工されている家具を選ぶ
2.2.ニス・塗料・防腐剤を塗る
2.3.エアゾールタイプ(スプレー)殺虫剤を噴射する
3.キクイムシが発生したらどうすればいい?
3.1.自分で駆除
3.2.専門業者に依頼
4.まとめ
1. 家具についた虫の正体は?
家具を食べる虫の正体は、その名のとおり「木を食べる」からキクイムシです。キクイムシは、白アリのように木製家具に生息し害を及ぼし、白アリ以上に駆除が難しいと言われています。
直接、人に害を及ぼすことはないですが、家具に小さな穴や床に白っぽい粉が落ちているのを見つけたらすぐに対策しましょう。
1.1 キクイムシとは?
キクイムシは、日本産だけでも300種以上も生息し、家具や木を食べる害虫として知られています。キクイムシは茶色の細長い形をしており、体長3mm~8mmほどです。
キクイムシの寿命は約1年です。成虫になるのは気温や湿度が高くなる5月から8月頃で、木材を食べ家具に被害をもたらすのは、約8か月~10か月の幼虫の時期だけです。
木材の水を通す導管に、キクイムシのメスは卵を100個ほど産み、ふ化した幼虫が木材のでんぷん質を食べ成虫になり、外に出るために穴を開けます。小さな穴は虫食いの跡で、そのときに出る木くずが白っぽい粉の正体です。
1.2 キクイムシはどこから?
キクイムシは、木製家具をつくる前、または家具を購入したときにはすでに産卵している可能性が高く、家の外から飛んできて木製家具に棲みつくわけではありません。
1.3 キクイムシはどんな木製家具が好き?
木製家具に害を及ぼすキクイムシですが、すべての木材を食べるわけではありません。キクイムシが好む条件があります。
■でんぷん質豊富な木材
キクイムシの幼虫は、エサになる乾燥したでんぷん質が多く含まれた木材を好みます。でんぷん質は樹皮に近い木材に多いようです。
■新しい木材
時間とともにでんぷん質は変化します。古くなった木材はキクイムシに食害されにくく、伐採されてから時間が経っていない新しい木材でつくられた家具は食害されやすくなるでしょう。
■広葉樹
キクイムシのメスは、卵を産むのに適した導管のある広葉樹を好みます。そのため国産のケヤキ・ナラ・タモ・キリ・カシなどでつくられた木製家具は被害を受けやすく、針葉樹のスギ・ヒノキなどでつくられた家具は被害にあいにくいということになります。
■輸入されたラワン材
熱帯の地域から輸入されたラワン材には、キクイムシの卵や幼虫がすでに潜んでいる可能性が高く、海外製の家具には注意が必要です。ラワン材も広葉樹です。
■竹材
多くの栄養が残っている竹材もキクイムシは好みます。繊維に沿って食べ進め害を及ぼす恐れがあります。
2. キクイムシがつかないための予防方法
キクイムシの生態や発生の時期などはわかったものの、木製家具にそもそもキクイムシを発生させない予防対策はないのでしょうか。ここではキクイムシの発生を事前に防ぐ方法をご紹介します。
2.1 防虫加工されている家具を選ぶ
海外輸入の木製家具を選ぶときには、十分注意し防虫加工されているものを選びましょう。すでにお持ちの家具には、防虫防腐剤を使用しキクイムシの発生を防ぐことができます。
2.2 ニス・塗料・防腐剤を塗る
家具の購入時に、ニス・塗料・防腐剤がすでに塗られて売られているものを選ぶことで対策できます。すでにある家具にも、ニスや塗料を塗ることにより、家具がコーティングされ、キクイムシのメスの産卵を防ぐことができます。対策後は最低1年くらいは様子を見ましょう。
2.3 エアゾールタイプ(スプレー)殺虫剤を噴射する
キクイムシが発生する前に、木製家具にエアゾール殺虫剤を噴射しておくことは、事前の対策として期待できます。キクイムシの産卵期5月~8月頃にスプレーすることをおすすめします。
3. キクイムシが発生したらどうすればいい?
木材の奥深く入り込んだキクイムシを完全に駆除することは非常に難しく、どんなに予防対策をとっても発生してしまうことはあります。そんなときの対処法は次の2つです。
3.1 自分で駆除
キクイムシを駆除する方法として、熱処理駆除や殺虫剤駆除がありますが、自分で駆除する場合は殺虫剤駆除をおすすめします。
■熱処理駆除
キクイムシは熱に弱く、50度~60度の温度で熱処理で殺虫できますが、家庭のスチームアイロンやヘアドライヤーで、木材の温度を60度まで上げるとなると相当な時間がかかります。
殺虫剤や防虫剤を使いたくない方、木製家具を極力傷つけたくない方には適していますが、短時間で熱処理できる強力なスチーマーを持っている家庭は少ないでしょう。そのため熱処理でキクイムシを駆除するのは困難だと言えます。
【熱処理駆除の注意点】
やけどには十分注意して熱処理駆除をおこなってください。
■殺虫剤駆除
キクイムシは木材の穴の奥に潜んでいるので、殺虫剤はエアゾールタイプや細いノズルがついたものが最適です。
また、ピレスロイド系の成分を含んでいる殺虫剤は、キクイムシに対する高い駆除効果があるのでおすすめです。殺虫剤の裏に表示されている成分表で確認できます。
自分で駆除することはできますが、1回の駆除では完全にキクイムシを駆除することはできません。次の手順を月に1回のペースで年間通しておこなってください。
【駆除の手順】
1.木製家具の穴の開いている場所を探します。
2.穴に殺虫剤のノズルを差し込んで、しっかり奥まで噴射し、薬
剤を注入します。成虫には直接噴射します。
3.キクイムシが発生した家具の接合部分や表面にも殺虫剤を吹き
かけます。
4.1時間くらい経ったら、2と3の作業を繰り返し2、3回おこな
います。
5.殺虫剤を注入したキクイムシの穴に、木片やつまようじなどを
挿して塞ぎます。塞いだ場所が目立つ場合は、目立たないよう
に塗料を塗りなおしましょう。
【殺虫剤駆除の注意点】
殺虫剤を噴射する際は、周りに火の気がないことを確認しましょう。煙や火の気があるところで噴射すると引火する恐れがあるので注意が必要です。
3.2 専門業者に依頼
キクイムシは完全に駆除することは難しいため、手間も時間もかかります。次のようなケースの方は専門業者に頼んだ方がよいでしょう。
・何度駆除作業をおこなってもキクイムシが発生している方
・キクイムシの発生する範囲が広い方
・年間通して定期的に自分でキクイムシを駆除するのが面倒な方
・一刻も早くキクイムシを駆除したい方
以上のような理由がある方は、専門業者に依頼することをおすすめします。キクイムシの完全駆除にかかる手間や予防の効果を考えれば、多少費用はかかりますが、専門業者に頼む方がよいでしょう。
4. まとめ

今回は木製家具を食べる虫の正体「キクイムシ」と、その予防・駆除の方法についてお話しました。愛着のある家具を大切に長く使っていくためには、キクイムシの被害を早期発見し、早期対策につなげることが必要不可欠です。
これらを予備知識としてしっかり身につけ、お気に入りの木製家具を守っていきましょう。
